小学生の読書感想文におすすめ。「最期の零戦乗り」を読んで戦争について考えた。

この本の評価
おもしろさ
(3.5)
ためになる度
(4.0)
読みやすさ
(3.5)
総合評価
(3.5)

永遠の0のモデルの一人 著者 原田要さんについて

2016年5月3日に99歳で亡くなった原田要さんは、日中戦争から太平洋戦争まで日本海軍の戦闘機(特に零戦)パイロットとして戦いに参加し、生き残った人物です。

「永遠の0」のモデルの一人でもあります。生前は戦争の恐ろしさと平和の大切さを説き、戦争は絶対にしてはいけないと強く訴えていました。

戦後は幼稚園を経営しながら、子ども達に命の大切さを教えていたそうです。

あらすじ

本書には著者原田さんが実際に経験した戦争の体験が綴られています。

特に真珠湾攻撃で太平洋戦争がはじめり、日本がアメリカに押されはじめ敗戦するまでの内容が色濃く書かれています。

はじめは戦闘機のパイロットへの憧れと必ず勝つという信念をもって戦っていた原田さんも、戦争が進むにつれて残酷さに嫌気がさし、最後は戦争を憎むようになります。

仲間の死や敵兵の死を見て、自分自身も何度も死にそうになりながら必死で生きてまた戦闘機に乗る。戦争を経験して生き延びた著者の言葉はとても重みがあります。

戦争は絶対にしてはいけないと改めて思う

私はもちろん戦争を経験していないし、身近に戦争を経験した人もいません。でも、この本を読んで戦争は絶対にだめだと改めて思いました。

北朝鮮がミサイルを発射して、戦争になったらアメリカが圧勝だなんて話を聞いたりしますが、そもそも戦争になったらなんて前提がおかしいです。

北朝鮮がミサイルを飛ばしているのは確かにとんでもないことなんですが、太平洋戦争中の日本の姿と似たようなもんだと思うんです。

実家が江戸時代からある古い家なのですが、倉庫から「ミエタ ナンキンダ ハナガサイテル ヒノマルノ」と書かれた湯呑が出てきて、こんな湯呑が存在していたなんて日本もかつてはかなり危ない国だったんだと思いました。

そんな危険思想だった日本も最終的には核爆弾を落とされてたくさんの人が死に、敗戦国となり、今では国際社会と足並みを揃える国となりました。

戦争というのは国同士の争いですが、最終的に被害を受けるのはそこで暮らす普通の人々だと思います。

北朝鮮も国の方針はおかしいかもしれませんが、きっと国民には私達と同じように家族や大切な人がいる。

戦争になったらそういった自分と同じような立場の人たちと向かい合って殺し合いをすることになる。

この本を読むまではそんなことも考えもしませんでした。

戦争をするということは国同士の戦いで、どこか自分には遠いことのように考えていましたが、この本を読んで戦争は人間同士の殺し合いでとても自分には耐えられないし、戦争という言葉すらなくなってほしいと思いました。

戦争をなくすのは母

本の最終章に”戦争をなくすのは母”という見出しがあります。

戦争で人が死んだ時、一番の被害者は母親だ。戦死した人にも、そして、殺した人にも母親がいる。息子を戦争でなくす母親が、何人もいる。 自分の国が戦争で勝とうが負けようが、母親にとって子どものことが一番大事なのだ。戦争に勝ち負けなどはない。戦争になった時点でもう負けているのだ。 -最後の零戦乗り p218-219より引用

この話を講演などですると、中学生までも涙を流すそうです。私自身母という立場なので、戦争に息子を奪われた母のこと、そして自分の子どもが同じことになったら、と思うと胸が張り裂けるような気持になります。

戦争で死んでいく仲間はみんな最後におっかさんと言いながら死んでいったそうです。原田さん本人も死にそうになったとき、ふと頭をよぎったのは母だったと本に書いています。

死んでいく側が母を思うように、母もまた自分の子どもに必ず生きてほしいと強く思ったことでしょう。

戦争をなくすのは母とありますが、そもそも母親同士で外交をしていたら戦争をするなんていう結論には至らないのではないでしょうか。男性を責めるわけではないのですが、長い歴史の中でも戦争をするのは男、そして戦争で死ぬのも男だと思うんです。

残念ながら今は戦争がある世の中です。

今母親としてできることは原田さんが幼稚園で子どもたちにしたように、自分の子どもに命の大切さをしっかりと教えること。それが平和な世の中にするためにできる母親としての最大限の貢献だと思います。

女性の社会進出

少し話がそれるかもしれませんが、この本を読んで戦争をしてはいけないということをもちろん第一に思ったのですが、女性の社会進出についても思うところがありました。

”戦争をなくすのは母”という言葉を読んで、女性の政治家を増やす必要があると思ったのです。今の日本の政治体制だと女性というだけで良い意味でも悪い意味でも必要以上に騒ぎますが、いつか当たり前に女性が政治家として活躍している世の中になってほしいです。

戦争をなくすためには自分とは違う考え方を認めることが不可欠だと思います。そのためには、政治家にも色々な立場や性別の人がなるべきだと思うんです。

政治だけではなく企業でも同じです。

仕事をする上で、男性女性で向き不向きはあるかもしれませんが、どちらもいた方がきっと色々なアイデアが生まれて良い結果が得られると思います。

私は正直、会社で働いてきて自分が男だったらどれだけ楽かと思ったことがたくさんあるので、自分の娘の時代には女性が働いていることが当たり前になっていてほしいと思います。

まとめ

私自身今は祖父祖母も亡くなってしまい、戦争の話を直接聞ける機会というのはほとんどありませんが、こうして本を読むことで平和の大切さを再認識することができました。

これから母親になる方はもちろん若い方にもぜひ読んでほしい一冊です。小学校高学年~中学生の読書感想文にもおすすめです。

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